タイムカードの保存期間について、「何年取っておけばいいのか」「棚に積んである古い束はもう捨ててもいいのか」と迷っていませんか。店長や総務、経営者自身が勤怠を見ている職場ほど、こうした疑問は後回しにされがちです。先に結論をお伝えすると、法律で定められた保存期間は5年で、経過措置により当分の間は3年とされています。この記事では、その根拠と対象になる書類、実務での保管方法を順に整理します。
結論:タイムカードの保存期間は「5年」、ただし当分の間は「3年」
労働基準法第109条では、使用者は労働者名簿、賃金台帳、そして雇入れ・解雇・災害補償・賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存しなければならないと定められています。
ただし、厚生労働省の「スタートアップ労働条件」のQ&Aによると、法改正の経過措置として、保存期間は当分の間3年とされています(2026年10月時点)。新潟雇用労働相談センター(NIKORO)のコラムでも、第109条の5年とあわせて「当分の間は3年間」と説明されています。
つまり、条文上の保存期間は5年ですが、いまは3年の保存で法律上の義務は満たせる、という整理になります。
保存しなければならない書類はどれ?
労働者名簿・賃金台帳・出勤簿
第109条に名前が挙がっているのは、労働者名簿と賃金台帳です。これに加えて「労働関係に関する重要な書類」も保存の対象になります。出勤簿の保存期間も、この第109条の考え方に沿って判断します。
タイムカードなど労働時間の記録も対象
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働者名簿や賃金台帳だけでなく、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類も、第109条に基づく保存の対象とされています。
同じガイドラインでは、始業・終業時刻はタイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録をもとに確認し、記録するのが原則とされています。労働時間の把握については「勤怠管理の「客観的把握」義務とは?」で詳しく解説しています。
社会保険・健康診断の書類は期間が別
労災保険・雇用保険・社会保険関係の書類には2〜7年、健康診断関係の書類には5〜40年の保存が必要なものもあります。勤怠の記録とは期間が異なるため、別に管理しておくと混乱しません。
なぜ「5年」と「3年」の2つの数字があるのか
背景にあるのは、賃金請求権の消滅時効の見直しです。厚生労働省の「確かめよう労働条件」によると、2020年4月1日に施行された改正労働基準法で、賃金請求権の消滅時効期間は賃金支払期日から5年(それまでは2年)に延長され、当分の間は3年とされました。
書類の保存期間も、この時効の延長に合わせて見直されています。もともと3年だった保存期間は、改正により5年に延長されました。ただし、賃金の時効が当分の間3年とされていることにあわせて、保存期間も当分の間は3年となっています。
「当分の間」とは、本来のルール(本則)とは別に、経過措置として一時的に適用される期間を指す言葉です。勤怠記録の保存を考えるときは、本則が5年であることを頭に入れておくと判断しやすくなります。
3年過ぎたら捨ててよい?迷ったら5年残すのが安全な理由
法律上は、現時点では3年の保存で足ります(2026年10月時点)。それでも、3年を過ぎた書類をすぐに処分してよいとは限りません。
スタートアップ労働条件のQ&Aでは、退職金の時効は5年のままであることや、時効の更新などがあることから、3年を超えて書類の保存が必要になる場合があると説明されています。
そのため実務では、本則の5年を目安に残しておくと安心です。5年保存は義務ではありませんが、保管場所に余裕があるなら、迷ったときの基準として5年を選ぶのがおすすめです。
紙とアプリ、それぞれの保存のコツ
紙のタイムカードの場合
紙のタイムカードは、月ごとにまとめてから年ごとに箱やファイルに入れて保管します。箱の外側に「対象年月」と「処分してよい年」を書いておくと、何年分が残っているかがひと目でわかり、処分の判断にも迷いません。
一方で、紙には紛失や汚れ・劣化のリスクがあり、5年分となると保管場所もかさみます。湿気の少ない場所を選び、持ち出しのルールを決めておくことが大切です。
タブレット・アプリの場合
アプリで打刻している場合も、「データがあるから大丈夫」と考えず、保存の運用を決めておきましょう。おすすめは、月末の締めのあとに勤怠データをCSVやExcelで書き出し、社内の決まった保存先に「2026年10月」のように年月ごとのフォルダで保管する方法です。
あわせて、端末の故障や買い替えに備えて、iCloudやGoogleのバックアップを有効にしておくと安心です。
まとめ
- タイムカードの保存期間は、労働基準法で5年、経過措置により当分の間は3年(2026年10月時点)
- タイムカードや出勤簿など、労働時間の記録も保存の対象
- 退職金の時効などもあるため、迷ったら5年残しておくのが安全
- アプリを使う場合は、月末に書き出して社内で保管する運用を決めておく
Time Clock App は、入口に置いたタブレット1台で打刻できる据え置き型の勤怠アプリです。勤怠データはCSV / Excelで出力できるため、月末に書き出して保管する運用にのせやすく、打刻忘れもリマインド通知でフォローできます。月額780円の固定制・人数無制限で、30日間の無料トライアルもご用意しています。
関連記事
